昔、山里に竹を取って暮らす翁と媼がいた。早春のある日、翁は光り輝くタケノコの中から手のひらに収まる大きさの姫を見つけ、自宅へ持ち帰る。姫はその日のうちに人間サイズの赤子の姿へと変わり、翁と媼によって「天からの授かりもの」として育てられる。赤子の姿になった直後から生育が速く、半年余りで少女へと成長した。姫は、少年・捨丸をはじめとする近くに住む木地師の子どもたちから「タケノコ」と呼ばれ、自然の中で彼らと遊びながら天真爛漫に育つ。一方、光る竹から黄金(金の粒)や豪奢な衣を授かる体験を繰り返した翁は「天が姫を立派に育てよと命じている」と考え、「高貴の姫君に育てて貴公子に見初められることが姫の幸せである」と都に屋敷を建てて、秋に一家で移り住む