常に優秀な弟と比べられてきたことで夢や目標を失った有栖良平(アリス)。高校時代からの仲間である会社員のチョータとバーテンダーのカルベもまた、それぞれに漠然とした不満を持て余しながら日々を過ごしていた。そんな、「生きる意味」を見出せないアリスたちが、ある日突然放り込まれた“今際の国”。見慣れた渋谷でありながら誰一人いない街の様子に驚きつつも、煩わしい家族の目も、面倒な上司もいない世界の解放感に喜ぶ3人。しかし、唐突に命を懸けた“げぇむ”が始まり、彼らは世界が完全に変わってしまったことを知る。
どうやらこの“今際の国”で生きるためには、様々な“げぇむ”に参加し、クリアしなければならないらしい。理不尽な状況に戸惑いながらも、ゲームが天才的に得意なアリスは眠っていた観察力と判断力を開花させ、仲間と共に危機を脱する。やがて、たった一人で“げぇむ”に挑み続けるクライマーの宇佐木柚葉(ウサギ)と出会い、自分一人が生き残るだけではなく、他者と協力し、全員が“げぇむ”をクリアするために立ち向かうことを決意する。空っぽのディストピアとなった東京を舞台に、「生きる」意味を見出せなかった若者たちが、かつてないほどに「生きる」ことに正面から向き合っていく成長の物語。そして先読み不能のめまぐるしい展開。未知なる世界の全貌が徐々に見えてくるスリル。頭脳も肉体もフル稼働しなければ立ち向かえない“げぇむ”の新感覚と、VFX、美術、撮影により緻密に計算されたニューワールドの創造。個性豊かなキャラクターたちが極限状態で織りなす人間ドラマ。あらゆるファクターが、観る者すべてを画面に釘付けにする。