「スペンサー ダイアナの決意」などで知られるチリの名匠パブロ・ララインによるダークなホラーコメディ。チリ近代史を下敷きにした異世界を舞台に、独裁者ピノチェトを吸血鬼として描き出す。
大陸南端にある廃墟のような屋敷でひっそりと暮らす吸血鬼アウグスト・ピノチェト。生き血を飲み続けて250年も生きながらえてきた彼だったが、生きることに疲れ、永遠の命を手放すことを決意する。しかし家族はそんな彼に、最後にもうひと仕事してからでないと死なせないと言い放つ。やがてピノチェトはある人物との思いがけない関係を通し、反革命的な情熱を持って人生を生き続けることに新たな希望を見いだしていく。
主人公ピノチェト役に「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」のハイメ・バデル。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、最優秀脚本賞を受賞。