2011年に急逝した森田芳光監督が81年に発表した劇場デビュー作『の・ようなもの』の公開から35年の時を経て、物語の35年後を描いた青春コメディ。古きよき下町を舞台に、落語家・志ん田の生き様を描く。監督は「の・ようなもの」をはじめ多くの森田作品で助監督を務めてきた杉山泰一。主演は松山ケンイチ、共演に北川景子。
舞台は東京の下町、谷中。主人公は30歳で脱サラして落語家になったものの、気真面目で几帳面な性格のゆえか「小学生が国語の教科書を読んでいるような落語」のままで足踏みしたまま、前座に甘んじている出船亭志ん田(でふねてい・しんでん)。師匠の志ん米(しんこめ)の家に住み込み修行中で、同居する娘の夕美に密かに恋心を抱いている。志ん米の師匠、志ん扇(しんせん)の十三回忌一門会を前にスポンサーのご機嫌をとるために、後援会長のお気に入りで現在は行方不明の志ん魚(しんとと)の居場所を探すことに。落語家の道をあきらめた気楽な中年男の志ん魚は、再び高座にあがるのか。そして将来への不安を感じながらも精進する志ん田の明日はどっちだ