ある日、高鬼をしていたかすかべ防衛隊の5人は、町中を駆け回っているうち、一軒の古びた廃映画館「カスカベ座」を見つける。
誰もいないはずの劇場では、ひたすら荒野が映し出されているだけの映画が、ひとりでに、ひたすら無音で上映されていた。それを見つめるかすかべ防衛隊。だが、トイレに立ったしんのすけが劇場に戻ると、風間達はどこかに姿を消してしまっていた。
夜になったが、しんのすけ以外の四人は、いまだにそれぞれの家に帰っていない様子。行方不明になったみんなを心配した野原一家(しんのすけ、ひまわり、みさえ、ひろし)はしんのすけ先導のもと再びカスカベ座を訪れるが、またも流れていた荒野の映像に目を奪われているうちに、気が付けば映画と同じ、何もない荒野に立っていた。
突然の状況に困惑する野原一家だったが、しかたなく荒野を歩きながら他の人間を探し始める。歩き始めてから数時間後、ようやく荒野を走る一本の線路を見つけることができた四人は、その線路に沿って進んでいき、そこで、西部劇に出てくるような古びた町を発見する。
春日部への帰り道を聞くため酒場に入る野原一家だが、そこで人相の悪い連中に因縁をつけられ、乱闘騒ぎになってしまう。ほどなくして保安隊が制止に現れるが、その隊長は、行方不明となっていた風間であった。保安隊の保安官(シェリフ)として仕事をしていたらしい風間に、いつも通り親しげに話しかけるしんのすけだったが、いきなり腹を殴られてしまう。風間はしんのすけ達のことをまったく覚えておらず、性格も粗暴になっていた。
風間の指示により保安隊から追われる身となってしまったしんのすけ達は、逃亡の途中、この町「ジャスティスシティ」の知事であるジャスティスに仕えている、つばきという少女に救われる。つばきもこの場所が何なのかはわからないが、「この世界に来た人間は、次第に元の世界にいた記憶を忘れていく」という事実と「帰りたいという気持ちが強いのなら、その気持ちを忘れずに持ち続けてください」という助言を野原一家に伝え、ジャスティスのもとに戻る。