父であり、夫でもある大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、ある日いきなり有名人となった。自分とはなんの縁もないはずの人々が、なぜかポールの夢を見るようになったのだ。たちまちもてはやされるポールだったが、“夢のような”サクセス・ストーリーは、突如として“悪夢”のごとく暗転する。
大学での講義中、ある女学生がポールの夢を見た話をひそひそとささやく場面から始まる。「おい、集中しろ」とポールは声をかけるが、奇妙な出来事は続くのだった。「あなたが私の夢にいつも出てくる」と語りかける女性、「私も同じ経験をした」と口にする者。「あなたは何もしないの、ただそこにいるだけで」……。
ポールの夢を見る人々は次々に増え続け、SNSには数えきれないほどのメッセージが届き、取材の申し込みが入る。テレビのニュースにて、ポールは「なんで私なのかって、わからないですよ。たぶん、私が特別なんだと思います」と答えた。ポールはたちまち注目の的となる。「バズった感想は?」「怖がらせてくださいよ、きっと悪夢を見るから」「僕もたくさんの人の夢に出てみたい」。
ところが夢の中のポールは、やがて恐ろしい行動を取りはじめるようだ。「あなたは危険なことをしているように思いますよ」との予告通り、恐怖の対象になったポールに現実世界で向けられる視線も変化していく。「僕は何もしていないのに」と戸惑うポールだったが、ある男性は「名声には望ましくない副作用もある。そのことに備えなければ」と告げた。