黒沢清監督の「スパイの妻」、濱口竜介監督の「ハッピーアワー」で共同脚本を務めた野原位の劇場監督デビュー作。パートナーの連れ子がカナダに留学し、寂しさを抱えていた月島春は公園で記憶を失くした青年と出会う。過去に流産の経験がある春は、青年を神からの贈り物だと信じ、青年を自身で育てたいと願う。一方、音楽活動を続けている春の弟・毅は、精神の不安を抱えながら、毅の創作を献身的に支える妻・美香子とともに4歳の子どもを育てていた。それぞれが抱える秘めた思いが、神戸の街を舞台に交錯する。「ハッピーアワー」でも舞台となった神戸で撮影され、「ハッピーアワー」でロカルノ国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した川村りらが春役を演じた。神戸出身のラッパー・小林勝行が俳優に初挑戦した。