2020年9月、一大国家事業である東京オリンピックを終えたばかりの日本を巨大地震が襲った。都内に住む中学3年生の武藤歩は、ある陸上競技場の更衣室で被災し、足首に傷を負いながらもなんとか脱出するも、東京の景色は一変していた。繋がらない電話、倒壊した自宅、混乱を極める避難所。家族の安否すら分からない状況に足が止まる歩であったが、ふと見上げた先にイルミネーションで飾られた裏山を見つける。それが照明技師である父・武藤航一郎によるものだと確信した歩は、最後の力を振り絞って裏山を駆け上がり、無事父と再会する。光り輝く裏山は即席の避難場所として機能し、時間が経つにつれ避難者が集まってきた。その中には、弟の武藤剛、近所に住む三浦七海、陸上の先輩だった古賀春生、そしてフィリピン人で帰国したばかりの母・武藤マリの姿もあった