ヴェネツィア国際映画祭において『ジョーカー』以上に話題を集めた問題作。第二次世界大戦中、ホロコーストから逃れる少年が、差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿を全編モノクロによる冷徹な筆致で描く。監督は、「戦場の黙示録」のヴァーツラフ・マルホウル。第76回ヴェネチア国際映画祭ユニセフ賞を受賞。
東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で叔母の家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと必死でもがき続ける