檀一雄の原作を、名匠・大林宣彦監督が窪塚俊介を主演に迎え、デビュー作「HOUSE ハウス」以前に書き上げていた幻の脚本を映画化した青春群像劇。「この空の花」「野のなななのか」に続く“戦争三部作”の最終作。自然豊かな佐賀県唐津で青春を謳歌していた若者たちに戦争の影が忍び寄り、過酷な状況に呑み込まれていく様子を描く。1941年の春、アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦の新学期は、“勇気を試す冒険”に興じる日々。肺病を患う従妹の美那に恋心を抱きながらも、女友達と“不良”なる青春を謳歌している。しかし、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく