「駅馬車(1939)」「怒りの葡萄」のジョン・フォードの復員第二作で、ス テュアート・N・レイクの著作に基くサム・ヘルマンのストーリーから、この映画の製作者のサミュエル・G・エンジェルがウィンストン・ミラーと協力して脚本を書いたもの。主演は「運命の饗宴」のヘンリー・フォンダ、「血と砂(1941)」のリンダ・ダーネル、新人ヴィクター・マチュアの三人で「スタンレー探険記」のウォルター・ブレナン、新人キャシー・ダウンズ、「春の序曲」のアラン・モーブレイ、「駅馬車(1939)」のティム・ホルト等が助演している。撮影はジョー・マクドナルドの担当である。
1882年のことである。カウボーイのワイヤット、ヴァジル、モー グ、ジェームスの四人兄弟は、メキシコで買った牛を数千頭追って、カリフォルニアへ向かっていた。その途中、アリゾナのツームストン集落の近くで彼らはクラントン父子い会った。クラントン親父は一頭5ドルで牛を全部買おうと申し出たが、それでは買値を割るのでワイヤットは断った。その夜は集落の近くで夜営したが、あくる日兄弟が留守の時、末弟のジェームスが銃殺され、牛はことごとく盗まれてしまった。ワイヤットはクラントンの仕業とにらんで、ツームストンの警官となる。ワイヤットが酒場でポーカーをしていると、メキシコとのハーフのチワアワが流し目をつかった。彼女に気のないワイヤットが手荒くしたので恨みを買ったのは是非ないことだった。彼女は医者のホリディにほれていたので、ホリディとワイヤットが仲良くなる邪魔をしようとしたが、二人は意気投合して親友となる。ホリディは肺結核なので自爆自棄となって、西部の荒野を流れ歩いているが、もとは立派な紳士である。その彼を訪ねてはるばるボストンから許婚のクレメンタインが訪ねて来る。ホリディは自分の病身ゆえに彼女に会いたくないので、ツームストンを去ってしまう。チワアワはこのことを聞くと怒って、クレメンタインの部屋に押し入り喧嘩を始める。そのとき彼女が落としたブローチは殺されたジェームスの持ち物である。ワイヤットが詰問すると彼女はホリディにもらったと言う。ワイヤットはホリディを追って連れ帰る。ホリディとチワアワと対決させると、彼女はクラントンの息子の一人ビリーからもらったことを白状する。盗み聞いていたビリーはチワアワを射つヴァジルはビリーを追っかけて射殺するが、彼もクラントン親父に背後から射殺される。ホリディはチワアワに手術をしたが、彼女は死んでしまう。ワイヤットは逮捕状を以てクラントン牧場へ行く。モーグとホリディも同行し、壮烈な拳銃戦の結果、クラントンと四人の息子、ホリディは倒される。クレメンタインは新築される学校の先生となり、彼女と再会を約してワイヤットはモーグと共に父の許へ、ことの次第を報告に赴いた。